【最低限これは抑えよう!】web制作業界のビジネスモデル

この記事を監修した人
  • フリーランス8年目/webディレクター兼デザイナー
  • 都内在住一人暮らし、アイドルが好き
  • デザイン、ディレクションは独学で習得
  • 直近では年商数億規模の大手企業ECサイト制作を担当
  • FP2級、コーチング資格所持

MORE

こんにちは! LL DESIGN JOURNAL編集部のLinaです。

今回はビジネスクラスの方に必要なweb制作業界のビジネスモデルについてお伝えしていきます。

Lina

ビジネスクラスの人に必要なのはビジネスモデルを理解してそれに基づいてデザインすることだったね!

新人デザイナー

デザインは一通りできるけど、ビジネスモデルとか利益とか、お金周りのことは全然わからないな~

目次

基本的な利益構造

新人デザイナーちゃんが言ってる通りデザイナーの方は、デザインについては詳しくても自分の仕事がどう会社の利益に結びついているか等会社がどう成り立っているのかという知識が不足している方が多いです。

なので、今回は制作会社がどのように利益を出しているのかその大枠についてお話ししていきます!

利益に関する構造は基本的にはこの図の通りになりますが、今回は制作会社に焦点を当てて必要なところのみお伝えします。
まずはデザイナーが関わる2つの会社の特徴です。

制作会社について

基本のビジネスモデル(制作会社ver)

多くのデザイナーが勤めているのがこの制作会社(広告代理店)ですね。
※以降は便宜上、制作会社とします。

例えば、webサイト制作会社の場合は以下のような内訳になります。

  • 売上:サイトの制作費(予算) 
  • 経費:大部分は人件費、他PCやソフトなどの備品系
Lina

クライアントからもらったお金(売上)ー自分たちの給料(経費)=会社の利益(純利益) ということだね

ではその会社の利益に当たる純利益を増やすにはどうすれば良いでしょう?

利益を出す方法(制作会社ver)

簡単です、この2つしかありません。 

  1. 売上(制作費)を増やす
  2. 経費(人件費)を減らす

会社によって独自の戦略やオリジナルの福利厚生など色々ありますが、どんな取り組みも元を辿ればこの2つに回帰します。 

新人デザイナー

思ったよりシンプル!

Lina

これなら覚えやすいね!

ではデザイナーが関わるもう1つの会社、私たちのクライアントである”事業会社”はどうでしょう?

事業会社について

基本のビジネスモデル(事業会社ver)

新人デザイナー

え? 制作会社と何か違うところある…?

Lina

ううん、同じだよ!

そう、基本構造は変わりません!

ただ事業会社と制作会社で異なる点としては下記があげられます。 

  1. 制作会社はデザイン自体が利益になるが、事業会社はその会社の商品が売れて利益になる
  2. 売上と経費の内訳が異なる
制作会社事業会社
売上デザインの制作費商品の売上
経費人件費商品の制作費
各会社の内訳

①について、例えばアパレル会社だったら会社の売上=アパレル商品の売上ですよね。
制作会社と違っていくらLPを綺麗に作ってもWebサイトが使いやすくても、結局商品自体が売れなければ、会社の売上にはなりません。

②について、経費はもちろん制作会社同様人件費もありますが、その商品を作ったり広めたり等売るまでにかかる費用も全て事業会社にとって経費となります。 

Lina

制作会社はデザインの制作費が、事業会社は商品の売上が利益になるの

では事業会社が純利益を増やすにはどうすれば良いでしょう?

利益を出す方法(事業会社ver)

こちらも簡単です、この2つしかありません。 

  1. 売上(商品の売上)を増やす
  2. 経費(商品の制作費)を減らす
新人デザイナー

え!こっちも同じなの!

そう、こちらも制作会社と同様です!
構造も利益の出し方も基本は同じで、ただそれぞれの売上と経費の内訳が2つの会社で異なる点です。

“ただ作るだけ”の制作だと厳しい理由

ここで一旦おさらいしましょう!前述の内容をまとめると下記となります。

この基本を踏まえて、注目するポイントが2つあります。

注目ポイント1:事業会社の経費

Lina

事業会社は売るまでにかかる費用は制作費として経費になるんだったね! 

これのどこが注目なのかというと、制作会社に払う費用も事業会社にとっては”売るまでにかかる”費用なので経費に含まれるところです。

利益の基本構造は制作会社も事業会社も共通ですが、その関係性を無理やり図に落とすとこんな感じになります。笑

Lina

経費を多く使える事業会社じゃないと制作費が降りないから、制作会社自体の売上も落ちてしまうんだよ 

新人デザイナー

事業会社の影響って大きいんだね…!

注目ポイント2:制作費の捉え方の違い

そしてさらに見るべきポイントがもう1つあります。

制作会社も事業会社も、売上を上げて経費を減らしたいという方向性は同じでしたね!

ただし実際は、制作会社の売上は事業会社にとっては経費に含まれます。

制作会社は「売上(事業会社からもらう制作費)を増やしたい」と思っていて
事業会社は「経費(制作会社に支払う制作費)を減らしたい」と思っている

つまり、同じくくりにあるものを”制作会社→増やしたい””事業会社→減らしたい”という矛盾が生じているんです。

仮に2つの会社の向いているベクトルが同じなら、単純に制作会社は「制作費増やすためにこうしましょう」と提案すれば良いです。
でも今の構造で制作会社が「制作費増やすためにこうしましょう」と提案しても事業会社は「制作費減らしたい」と思っているので、なかなかOKしてもらえないでしょう。

Lina

このままだと片方が良くなると片方が悪くなるというどちらかが損をする構造になっているの

新人デザイナー

この矛盾した状態で事業会社に制作提案するのって難しそう… 

このベクトルが矛盾している、どちらかが+になればどちらかが−になるという状態ではなく
どちらも+になる、いわばwin-winの状態に持っていかなければいけません。 

win-winにするには

事業会社の売上自体へのアプローチをする

では制作会社も事業会社もwin-winになるにはどうすればいいでしょうか。
私たち制作会社はどうやったら事業会社から制作費(売上)を多くいただけるんでしょう?

それは事業会社の売上が上がるデザインを作ることです。  

この構図でも事業会社の売上自体が上がれば経費(制作会社へ支払う制作費)がかかっても問題ありありません。
むしろ多少経費が多くかかったとしても、その分売上が大きく上がれば結果的にはOKと判断されます。

新人デザイナー

だから制作会社は事業会社の売上自体に対するアプローチが必要なんだね

2つのアプローチ方法

では、その事業会社の売上に対するアプローチとは何なんでしょうか。

私たちは事業会社の商品そのものに手を加えることはできません。 

Lina

アパレル会社のLPは作れても、お洋服自体を変えることはできないよね

では制作会社に何ができるのかというと、 この2つです。

  • 商品を広める(マーケティング)
  • 商品の価値を上げる(ブランディング)

アパレル会社がクライアントだとすると、私たちにできることは

デザインというツールを使って
そのお洋服がたくさんの人に目に触れるようにしマーケティング) 
「このお洋服すごい良い!」という価値を伝えることでブランディング) 
より多くの人に買ってもらう、つまり売上を増やすことです。

Lina

デザインはあくまで目標達成のためのツールだから作ること自体をゴールにしてはいけないの

今回のまとめ

今回はビジネスクラスの方に必要なweb制作業界のビジネスモデルについてお伝えしてきました。

本記事のまとめはこちらです。

240115_12
240115_6
240115_11
previous arrow
next arrow
CHECK IT
  • 利益の基本構造は売上ー経費=純利益
  • 純利益を出す方法は売上を増やすor経費を減らす
  • 制作会社と事業会社で内訳が異なる
  • そのため制作会社は制作費を増やしたくて、事業会社は減らしたいという矛盾が生じる
  • 事業会社の売上を増やすアプローチが必要
    目標 :事業会社の売上を増やす
    方法 :マーケティング、ブランディング 
    ツール:デザイン

ちなみに簡略化して伝えるために経費は人件費としたり、アプローチ方法を2つに絞ったりしていますがそれ以外にももちろんあります。 ただ色々書いたところで混乱するだけなので、大部分を占めるオーソドックスなものとして一例をあげています。 

Lina

これが全てではないので、自分で調べたり勉強したりして知識を増やしてね!

是非この記事の内容を頭に置きつつ目の前のデザインに取り組んでみてくださいね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次