こんにちは! LL DESIGN JOURNAL編集部のLinaです。
今回はファーストクラスの方に必要な経営スキル「ポイント4:営業・交渉力」についてお伝えしていきます。
今までの記事はコチラから!
商品を販売する、つまり「自分を売る力」ですね。 個人向けの場合は「発信力」も入ってくるのですが、 私が法人向けということもあり今まで必要ありませんでした。
逆を言えば、フリーになるのに発信力は必ずしも必要ではない!ということです
なので、今回は「法人向けフリーランスに必要な営業・交渉力」に焦点を置いてお話したいと思います。
まずは「営業力」からです!
営業力:自分の実力を正しく見せる力
法人向けフリーランスの場合、どこかしら企業と契約し、そこから仕事を請け負うことが前提になります。 そして契約する際に必ず必要なのは「ポートフォリオ」と「面談」で、これらをどう作るのか=営業力となります。
ポートフォリオ
企業がフリーランスに求めるのは即戦力であることです。
「私はこういうことができます。」「私はこれが得意です」「私の経歴はこうです」といった自分の能力を可視化したもの=ポートフォリオになります。
実力を重視するフリーランスの場合、この能力の可視化であるポートフォリオの作り方が非常に重要です!
ではどのように作ると、営業力のあるポートフォリオができるんでしょうか。
今回はエージェントさんから教えていただいたことも含め、私が作成する際に意識しているポイントをお伝えします。
ポイント①過程を載せる
一つ目は「結果だけではなく、そこに至るまでの過程を書くこと」です。
上の図の通り、デザインは目的を達成するための手段であり、アウトプットされた”結果”です。どういうデザインをするかは目的からの逆算で考えていきますが、この逆算の流れ自体を”結果物”であるデザインのみでは読み解くことはできません。
ですが、採用者はその人のスキル、プレースタイル、レベル感を把握するには、この流れを「自分一人でできるのか」「誰かから指導のもと行ったのか」「複数人と協力してやったのか」などによって判断していきます。
なので、デザインという”過程の結果できたもの”だけでなく”そこに至るまでに何があったのか”を記す必要があるんです。
過程を記すことで「このデザインを作ったのは理由がある(=再現できる)」と感じてもらうというメリットもあるよ
ポイント②採用者好みの案件をピックアップする
二つ目は「採用者好みの案件をピックアップする」こと。ただ結果を出した、いい具合にまとまったものを並べるのではなく、掲載にも意図を持たしましょう!
結局は需要と供給のマッチングが大事なので、下記のように「私はあなたの需要を私は供給することができる」と示すことが大切です。
私は採用者側が求めているものを持っています(主張)
それはこの実績があるからです(主張の証明)
採用時の面談
次に重要なのが採用時の面談です。ただ面談に関してはカジュアル目なものから割と深掘りされるものまで結構企業によりけりな印象があるので、今回は私が今まで受けてきた中での所感をお伝えします。
正社員の採用面談しか受けたことないから、どんな感じか気になる…!
面談で重要視されること
業務委託契約の面談の場合、正社員の転職面接と違いかなりあっさり終わります。 もちろん企業によりけりですが、早いと20分くらいで終わって、終了した3分後に「OK」と返答もらうこともあります。笑
なぜこんなにあっさり終わるのかというと、その人のスキルというより人柄を見られることが多いからだと思います。
先ほど「フリーランスに求められるのは即戦力」とお伝えしましたが、 その即戦力はポートフォリオの段階である程度見極められています。 実力自体は分かっているので、面談時は
- 企業が求めているスキルと合っているか
- 人柄的にその企業の雰囲気と合うか(スキル面以外での懸念点がないか)
というのを見られていると思います。
採用後すぐ契約切られた!なんてことがないように
なので、私が面接する際は大体下記を意識しています。
- 自分のアピールポイントを端的に言えるようにしておく
(できること・できないこと、メリットなど) - 経歴や実力を盛らない
- なるべく素のまま話す
- その上で「この人いい人だな」という印象を持たれるような言葉遣い、表情、服装を心がける
この中だと個人的には「②経歴や実力を盛らない」って結構重要だと思っています。
なぜかと言うと、契約した後に「思っていたより実力ない」と判断されて切られる人も沢山見てきたのですが、正社員転職の場合、何かあってもすぐ退職にはならないので「正直面接の時だけ頑張って入っちゃえば良い」 ということもあると思います。
でもフリーランスの場合、所詮紙切れ一枚の契約なので 「実力ない」と判断されるとすぐに切られます。 面談時に変に盛って自分の実力以上のものを見せてしまうと、契約後そのギャップで自分が苦しむことになるんですよね。
フリーランスは実力主義だからね…!
なので、自分は何ができて何が出来ないのか、何が得意で苦手なのか等、スキル面に関しては多少条件が悪くなったとしても正直にお伝えした方がいいと思っています。
交渉力:物事を望む方向に進めていく力
営業力の次に必要とされるのが、交渉力! 交渉力については採用時にはもちろん、実際現場に参画する上で必要になることも多々あります。
なので今回は面談時に限らず、私がクライアントや他部署の方と連携する上で意識しているポイントを3つお伝えします!
ポイント①相手を不快にさせない
これはコミュニケーションを取る上で「自分がされて嬉しいことをして、されて嫌なことはしない」 と言うことです。
そもそも人は自分の意思で決めたことしか納得しません。なので交渉するには、相手に「この人の話を聞こう」「耳を傾けてみよう」と自発的に思ってもらう必要があります。”仕事だから仕方なく”ではなく”自発的に”、です。
であるなら、自分に対して好印象であった方が話を聞いてもらいやすくなりますよね!なので、仕事どうこうではなく普段から周囲に対して誠実でいることが大切です。
当たり前のことを当たり前にやる、意外とできていない人もいるんです
その上で、自分の意見を伝えるときは
- 相手の意見の良いところを伝える
- 否定する時は枕詞を入れる
(「私の確認不足でしたら申し訳ないのですが」「個人的な感想としては」など)
など、自分の意見を伝えた時になるべく相手が不快にならない伝え方を意識しています。
ポイント②相手に目線を合わせる
制作会社の場合、基本的には相手(事業主)からお金をいただく立場です。 なのでお客様的には、例え私たちが本当にそうした方がいいと思っていたとしても、私たちが出す提案は 「制作会社が利益出したいから言ってるんじゃないの?」 と感じる可能性もあるんですね。
なので”自分たちの提案にどういうメリットがあるのか”と言うのをきちんと説明する必要があります。
例えば、ある商品LPのリニューアルを提案する場合。
このような感じで”仮に私たちがあなたの立場だったらこうする”という目線で状況を捉え、私たちの提案を受け入れると、あなたたちに利益が出ると言うことを、言葉や数字という客観的なもので伝えることが大切です。
採用面談時には「何故私と契約すると御社にメリットがあるのか」と言うことをこれに沿ってお伝えするよ!
ポイント③選択肢を絞る
これは私が普段プロジェクトを進める上で意識しているポイントなんですが、仮に沢山提案できることがあったとしても大体2〜3個に絞ってからお伝えします。
みなさん「選択のパラドックス」という理論は知っていますか?
選択肢が増えることによって消費者や意思決定者が迷いや不満を感じることを指しており、多くの選択肢が必ずしも良い結果を生むとは限らないという概念のこと
選択のパラドックス
例えば新しいリップが欲しいなーという場合、 色展開が多い商品は魅力的ですが「結局どれが自分に合うの?」となって迷いがちですよね。それを解決するためにみたいに選択肢を減らす情報を探してから「これを買おう」と購入を決めます。
「イエベにはこれ!」とか「限定品で今しか手に入らない!」とかね
このように「選択肢が沢山ある」という状態は自由さや柔軟性を感じる反面、何かしらの判断基準がないと逆に決断しきれないということがあります。
そしてこれは仕事の面でも同じで、例えば要件定義の時にあれこれ叶えたいという要望を全てカバーしようとすると、 やることが大量&複雑になってしまって実現が難しくなることが多いです。
なので、下記のように優先順位を決めてある程度選択肢を絞って提案するとお客様も判断しやすくなります。
- 〇〇を優先するならこのタスクから
- △△を優先するならこのタスクから
- 〇〇と△△を優先するなら◇◇は費用的に厳しい etc…
今回のまとめ
今回はファーストクラスの方に必要な経営スキル「ポイント4:営業・交渉力」についてお伝えしてきました。
本記事のまとめはこちらです。
- 営業力:自分の実力を正しく見せる力
- ポートフォリオでは結果に至るまでの過程を書く
- 掲載は企業がより求めているであろう(採用者が好みそうな)案件をピックアップする
- 面接時は変に盛らず、ありのままの自分で
- 交渉力:物事を望む方向に進めていく力
- 選択肢を絞りつつ、相手に目線を合わせた提案をする
重要なのは現場に入った時にどのように活躍してくれるのかをイメージさせることで、「私と契約するとメリットがある」と言う提案には、目的・理由・証明が必要です。そしてその力のことをまとめると営業力・交渉力になると思っています。
これらは経験値がものを言う面もあるので、顧客折衝の経験値を重ねることが一番の近道です。あまり構えずにこなしていきましょう。